だいたい押見修造のせい
マジで押見修造作品を読むとろくな事にならない
義務教育を経てそれなりに培われる「こうやって生きれば世間に後ろ指さされないな」「恋愛ってこういうテンプレがあるんだな」っていう社会性をいとも簡単に粉砕してくるから。
「惡の華」にしろ「血の轍」にしろ押見修造作品に登場する主人公は身近にいる特殊な精神性をもった女性(クラスメイトだったり、母親だったりする)と関わる中で精神性がとうにかなってしまう。そしてどうにかなっちゃった主人公は本人の意図に反して誰かを絶対に不幸にする。押見修造作品において人を惹きつける魅力が凝縮されているのはまさにここであって、絶対にすんなりハッピーな愛を提供してくれない。だから読者としての私たちは悶々としてマンガを握り締めたまま後ろにひっくり返ることになる。加えて男の読者は半ば強制的に作品中の女性に恋しちゃうのだがこれが本当に良くない。性癖破壊と言ってしまえばそれまでだがどの女性もどうにかなっちゃってるので現実の自己の生活や精神の形成に致命的な影響が出る。大学生というある程度物事の分別がつくようになって、メタ認知を覚えてきたら読んでも問題ないとは思うが、精神が成熟し始める中高生の時期に押見修造を読んだらもうダメである。今まともに社会生活が送れている自分に賞賛の拍手を送りたい。おれスゲーーよマジで‼️
あともう少しだけ魅力について語らせてほしい。
押見修造作品は随所でみられる「不穏さ」の味付けがかなり濃くて、次に何が起こるのかを漠然とではあるが読者に強制的に予想させてくる。そしてだいたいの場合その予想を少し超えたクソなことが起こるのでもうダメ。読んでいて何回悲鳴をあげたか覚えていない。こういう濃い不穏さを浴びていると恋愛なんてできたもんじゃない。
最悪の結果を常に想定するようになるし、悪い辻褄が合いまくることになる。(いい意味での)バカになれなくなってしまう。
とにもかくにも、押見修造作品、読んでみてください。精神を破壊したい方、鬱になりたい方、クソメガネ押見がニンマリ笑顔で待っています。
惡の華ならアップルに全巻あるし、こんな駄文では魅力全然伝わらないので是非実物を手に取っていただきたい。
押見修造先生、あんたのせいでなんかいろいろめちゃくちゃです。勘弁して下さい。大好きです